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2012年11月23日金曜日

王座の血脈 デイヴィッド&リー・エディングス

神の身でありながら、自らをカル=トラクと名乗りマロリー皇帝の座についたトラクは、ついにアンガラクの大軍団を率いて西の諸王国への侵攻を開始する。
トラクが目指すのは西の大陸の西端に位置する都市ボー・ミンブル。
ガリオンの時代には伝説となっている<<ボー・ミンブルの戦い>>が今始まったのだ。

<<ムリンの書>>によると、ボー・ミンブルでの3日間の戦闘の後、トラクと<<光の子>>の一騎打ちの末、<<光の子>>はトラクを倒す。とのこと。
したがって、ベルガラスの目的は、鉄の塔に引き篭もるトラクを一騎打ちに引きずり出すこと。
そのためには数で勝るアンガラク軍をボー・ミンブルで打ち負かさなければならない。

そして、<<宿命>>により今回<<光の子>>に選ばれたのは、<<リヴァの番人>>ブランドだ。

防衛策を練るベルガラスと西の諸王国のリーダーたちだったが、アンガラク軍はベルガラスの予想を裏切りナドラクの森を強行突破。そしてドラスニアを蹂躙する。

そして、アルガリアの難攻不落の城塞、<<砦>>を包囲する。
ここにはリヴァ王の血を受け継ぐゲレインが避難しているが、<<ムリンの書>>によると、ここは包囲されるが陥落はしない。
ベルガラスは、この予言を信じて彼をこのまま砦に避難させておくことを決心する。

トラクが<<砦>>を包囲して時間を無駄にしている間に、ベルガラスとポルガラ、それにアルダーの弟子たちは入念な防衛計画を練り、その準備を開始していた。

懸案事項の1つ、東の海を渡ってきたマロリーの大部隊はマーゴスのアラガ砂漠で発生した、大吹雪により足止め。これで南方に展開していたトルネドラの軍団を援軍としてボー・ミンブルに回せる。

そしてついにボー・ミンブルの城壁の前まで進軍してきたアンガラクの大軍団。
1日、2日と持ちこたえた後の3日目、反撃に出た、西の諸王国の連合軍。
アスターの弓兵、ミンブルの騎士、トルネドラの歩兵、チェレクの狂戦士、ドラスニアの槍兵、アルガリアの騎馬兵らの攻撃によりアンガラク軍は大打撃を受ける。
そしてついにトラクは鉄塔から姿を現し、リヴァの番人ブランドとの一騎打ちが始まる。

一進一退の攻防の後、トラクの剣がブランドの左肩を捉えブランドが一瞬引く。その隙を突いてトラクがさらに攻撃を仕掛けようとした瞬間、ブランドは盾を覆っていた布をおもむろに引き剥がした。
アルダーの珠の光に残った右目を潰され悶えるトラク。そしてブランドは渾身の力を込めて突きを放つと、ブランドの剣はトラクの今だに燻り続ける左目の跡を深々と貫き、それはトラクの脳にまで達した。
そしてトラクは絶叫を上げ、左目から血の涙を流しながら倒れた。

あとは西方の連合軍による、壊走するアンガラク軍の大虐殺が残っているだけだった。

そしてボー・ミンブルの戦いは終わった。

トラクは死んだのか?
いや、彼は神だ。トラクを本当に殺すには、<<神をほふるもの>>ガリオンの登場を待たねばならないだろう。それも<<予言>>だ。
そして、ゼダーはトラクの体をマーゴスの荒野の何処かに運び去り、トラクは深い眠りについた。


そして時代はいよいよガリオン誕生前夜へと進んでいく。
ボー・ミンブルの戦いからざっと500年、いよいよガリオン誕生の予兆が各地で現れ始める。さらにこれに呼応するかのごとく、クトゥーチクの弟子、アシャラクことチャンダーがまた暗躍し始める。
長年に渡ってベルガラスは、この男を手のひらの上で転がしてからかってきたはずだが、今度は様子が違った。出し抜かれてしまったのだ。

ベルガラスの下に、ミンブルの若き騎士マンドラレンがベルキラ、ベルティンからの伝言を持ってきた。ガリオン誕生が近いとのこと。
早速ゲランとイルデラの下へ向かうベルガラスだったが、すでにアシャラクの魔の手が迫っていた。

アシャラクは、ガリオン誕生直後の家に火を放ったのだ。
ガリオンは、両親の機転でなんとか助かったものの2人は死亡。
さらに、ガリオンが助かったことを知ったアシャラクはトラクへの貢物のにしようとしたのか、ガリオンを抱えて逃亡・・・そのときだった。やっとベルガラスが到着したのは。

怒りに燃えるベルガラスがやつを殺さなかったのは、アシャラクの役割(自らの命をもってガリオン覚醒を促す)を知っていたのと、やつがガリオンをベルガラスに投げつけて逃走したためだ。
(このとき遠いチェレクでは、バラクが<<恐ろしい熊>>に変貌をとげたと言う・・・)

そして、ポルガラはガリオンを連れて、センダリアのファルドー農園に身を隠す。
暫くの間、ベルガラスはアシャラク(チャンダー)をシルクと共に追っていたが、シルクにバラクと合流するように指示を出し、自分もファルドー農園へと向かった・・・

ここでベルガラスの話は終わる。
あとの話はポルガラに頼めということらしい。

空白だらけの内容に、不満たらたらのセ・ネドラは、早速ガリオンと共にポルあばさんの小屋へとリヴァを後にする・・・

と言うわけで、話は女魔術師ポルガラに続く・・・

2012年11月19日月曜日

魔術師の娘 デイヴィッド&リー・エディングス

魔術師ベルガラスの2分冊目

ポレドラを失ったベルガラスは傷心のあまり、生まれたばかりの双子の娘、ポルガラとベルダランを残してアルダー谷を出て行く。
数年間にわたる酒びたりの生活の後、アルダー神の来訪を機にしらふに戻ったベルガラスは<<光>>と<<闇>>二つに分かれた<<宿命>>を1つに戻すための仕事に取り掛かる。
ベルガラスはアレンディア、トルネドラ、ドリュアドの森、ニーサ、そしてマラゴーで情報収集したあとアルダーの谷へと戻ってくる。

一方<<谷>>に残してきた2人の娘たちは、兄弟弟子のベルディン、ベルキラ、ベルティンによりすくすくと成長していた。
帰ってきたベルガラスはベルディンに手荒い歓迎をされるが、当然だ。
妹のベルダランは父親が帰ってきたことを素直に喜ぶがポルガラは当分許してくれそうもない。

そしてアルダーの導きにより、ベルダランは珠の守護者たる<<鉄拳>>リヴァと結婚。
式の途中、シンクロして青く光るアルダーの珠とポルガラ、そしてベルガラスは白いフクロウを見る。これは幻なのか? ベルガラスには確信がもてない。

ダラン王子が誕生して”おじいさん”になったベルガラス。
王子の手のひらには白いあざがあった。
これはリヴァが<<珠>>を掴んだときにできた跡と瓜二つだった。
<<珠>>の守護者の証だ。

そしてアルダーの珠を柄頭にはめ込んだリヴァの剣(これはベラー神の導きにより、リヴァとベルガラスが2人で隕鉄から鍛え上げた剣だ)とダランの初顔合わせ。
ダランがあざのある手で珠に触れた瞬間、珠は歓喜の声をあげる。
一方で世界の裏側アシャバでは、この瞬間トラクが絶叫を上げたと言われる。

そしてベルガラスと女魔術師に成長したポルガラは、<<宿命>>に関する予言を集め始める。
直接関与することを禁じられた<<宿命>>からのメッセージだ。
こちらには、”ダリネの書”、”ムリンの書”、そしてトラクには彼自ら無意識に呟く”アシャバの神託”

そして2人は<<予言>>を成就させるために、各地へ赴き、<<光の子>>ガリオンがトラクを倒すために必要な仲間たちの系譜を作るためのレールを敷いていく。

さらに、西の大陸へと殖民してきたトラクの民アンガラク人が建設した国、ガール・オグ・ナドラク、ミシュラク・アク・タール、そしてクトル・マーゴスへの偵察。
マーゴスのラク・クトルに居を構える、宿敵クトゥーチクへの強引な訪問。

そして、体が弱かったベルダランの病死。
悲嘆にくれるリヴァ、ポルガラ。しかしベルガラスは必死の思いで仕事に取り掛かる。リヴァがもう二度と立ち直れないと解っていたのだ。そして、20歳になっていたダラン王子の補佐役に、リヴァの右腕のブランドを<<リヴァの番人>>として指名。

そして3百年ほどすぎたある年。
予言の研究に没頭していたベルガラスは、ある予言の一節を発見して戦慄する。
<<珠の守護者>>の系譜が危ない!
即座に”タカ”になってポルガラと供にリヴァを向かうベルガラスだが、すでに遅かった。ダランの子孫のリヴァ王ゴレクと、その子供たちはニーサの女王サルミスラの放った刺客に殺されたあとだった。1人を除いて・・・

末の王子ゲランだけは、とっさに城から海に飛び込んで無事だった。
そして、このことは一般には伏せられた。普通の人でリヴァ王の系譜が途切れていないのを知るのは<<リヴァの番人>>”ブランド”だけだ。(リヴァの番人は言わば首相にあたるが、その名前は常にブランドだ。ニーサの女王も常にサルミスラだ。)

復讐のためニーサに討伐軍を派遣するリヴァ、チェレク、ドラスニア、アルガリアというアローンの国々。そして彼らの軍隊はニーサを灰燼に変える。
女王サルミスラは自殺を図るが、息絶えるまえに、ベルガラスはゼダーがこの件の首謀者であることを突き止める。

この暗殺事件の本当の目的はリヴァ王の系譜を断ち切ることではなく、今マロリーで起きている重要なことからベルガラスたちの目をそらすための陽動作戦だったようだ。
それは、メルセネ帝国皇帝にアンガラク人を擁立してマロリー全土の統一を果たすという目的だ。
このことを見抜いたのはゲランだ。

そして、ポルガラはゲラン、ひいては<<珠の守護者>>の系譜を保護することを自ら買って出て、ゲランを伴ってセンダリアのどこかに姿を消す。

それから数百年、あるいは千年以上たったある日、”ポルおばさん”と家具職人”ダリオン”とその妻セラナはマーゴ人に見つかり、ベルガラスと供に再び旅を開始するが・・・

3巻に続く・・・

2012年11月15日木曜日

銀狼の花嫁 デイヴィッド&リー・エディングス

ベルガリアード、マロリオン物語の前日譚にあたる物語、
魔術師ベルガラス(BELGARATH THE SORCERER)の1巻目。
原本は1冊の分厚い本だが、邦訳版は3分冊になっている。それでも十分分厚いけど。
女魔術師ポルガラ(POLGARA THE SORCERESS)と姉妹本になっているみたいだ。

この本も部屋の隅から発掘したので、読んでないと思ったので読んでみたら・・・記憶にあるな・・・
でもせっかくだがら読み返してみた。

盗人の少年ガラスがアルダー神の弟子ベルガラスとなり、弟神のトラクに奪われたアルダーの珠を取り返すために、兄弟弟子たち、いろいろな神々の民とともに大陸を2分する戦いを挑む。
戦いの末、トラクは禁断の珠の力を使ったため、半身に永遠に消えることのない炎による火傷により、絶叫をあげて倒れた。しかし、珠の力により世界は文字通り2分された。大陸は引き裂かれ、大海がその裂け目に押し寄せた。アルダーとベルガラスは西の山脈を隆起させ、なんとか大海の進攻を食い止めた。そしてトラクの神官たちも、彼らの神の体をなんとか、東のマロリーまで運びきった。

***訂正***
山脈を隆起させたのはアルダー神とベラー神だった。


しかし、戦いはまだ終わってはいない。

数千年後ベルガラスは、アロリアの王<<熊の背>>チェレクと3人の息子、<<猪首>>ドラス、<<俊足>>アルガー、そして<<鉄拳>>リヴァと供にトラクの都クトル・ミシュラクへ珠を取り返しに潜入し、見事に珠の奪還に成功する。
しかし、ベルガラスの兄弟弟子の1人、ベルゼダーの裏切りが発覚。謎のトラクの3人目の弟子とは彼のことだった。以後彼は、ゼダーと呼ばれる。

その後、珠の守護者となったリヴァを守るために、ベルガラスの命令でアロリア王国は分割される。
西の海に浮かぶ、天然の要塞、風の島リヴァ。海の国チェレク、北の湿地帯にドラスニア、草原のアルガリアがこうして誕生した。
そして、神々は去った。

ガリオンの時代には伝説となっている”アローンの書”に記されている内容が、当事者たるベルガラス本人の手による物語として語られるという形になっている。(ポルに双子が生まれた後、暇そうにしているベルガラスにガリオンとダーニクが提案したのだ。物語の最初から知りたいと。)
それと同時に、この物語はベルガラスとポレドラの出会いの物語でもある。
彼女がポレドラとは、途中まで一切触れていないが、まあはっきりとわかる。
意思の力で、狼になったりフクロウになったりする人々だ、生まれたのが人間だからとか、狼だからとかは、一切関係ないんだろう。

非常にライトな感じで語られるエディングスのファンタジー小説。
今回はベルガラス目線なので、さらにそれが顕著になってる感じだ。
ライトノベルしか読んだことない人でも十分いけるんじゃないかな。
長いけど、さくさく読める。

エディングスは、日本での知名度がどのくらいかは解らないが、一番好きなファンタジー作家だ。
ファンタジー好きなら読むべし。と自信を持って言える。
もちろん、ベルガリアード、マロリオン物語を読んだ後にね。

2012年11月11日日曜日

遺伝子の使命 ロイス・マクマスター・ビジョルド

買っただけで読むのをすっかり忘れていた、遺伝子の使命。
マイルズは出てこないようなので、後でもいいか・・・と思ってたわけだ。
最近になって偶然発見?したので、やっとこさ読んだ。

ヴォルコシガン・シリーズと同じ世界を舞台にした物語だが、マイルズは出てこない。
主役はエリ・クイン中佐だ。
舞台となるのはクライン・ステーション。
ネイスミス提督からの諜報任務を帯びた彼女の活躍を描いた作品だ。
そして、もう1人の主人公は原題のタイトルにもなっている、アトスのイーサン。
イーサンの故郷のアトスは、男だけの惑星だ・・・まあ所謂アレな世界だが、そういう描写はないので、ご安心を(一部の人には残念でした)。

事件の発端は、アトスの生殖を支えてきた、要となる卵巣培養其が衰えてきて卵子を生み出さなくなってしまった。しかも、代わりに銀河世界から輸入した卵巣培養其が何者かに摩り替えられていて、使い物にならない廃棄物が送られてきたということだ。
そのため、アトスの未来を託された、生殖センターの医師であるイーサンが、銀河世界に代わりの卵巣培養其を調達に出発する。
そして、クライン・ステーションについたイーサンが、生まれて初めて見た女性が、エリ・クインだった・・・

というわけで、行方不明になった卵巣培養器を巡って、
クイン、そしてイーサンの冒険が始まる。

背後には、セタガンダのスパイ、そしてジャクソン統一惑星のバラピュートラ商館の影が・・・
クインの使命とは?
そしてイーサンは無事に卵巣培養其を確保してアトスに戻れるのか?

1986年の作品なので、ちょっと古臭さは感じるし、マイルズが出てこないので、ちょっと、他のシリーズと比べると一段落ちた感じはするものの、クイン主役の物語は、これしかない(たぶん)ので読んどいていいだろう。
ミラー衛星衝突の時点で、マイルズはデンダリィ傭兵艦隊提督を退いているので、エリ・クインは、もう当分出てきそうにないしな。(確か、クインが艦隊を引き継いで提督に収まったんじゃなかったかな。)

2012年10月30日火曜日

ミラー衛星衝突(KOMARR) ロイス・マクマスター・ビジョルド

ヴォルコシガン・サーガの(日本での)最新刊が出てた。もう出ないかと思ってたので油断していた。何時出たんだろう?
しかし、1998年の作品が今頃になってやっと出版。
どんな大人の事情があるのか解らないが、こういう状況では、英語版を辞書片手になんとか読む方が早いな。きっと。
それと、タイトル。なんで”コマール”じゃダメなのか?
新規読者のためには、確かにこういうタイトルの方が目を引きやすくて、いいのかもしれないけど、激しく違和感を覚える。

さて、作品の方だが、ネイスミス提督が消えて、皇帝直属聴聞卿という立場になったせいか、アクションシーンはほとんどなくなったのが残念だが、面白いことは変わらない。
それと、今までのキャラが出てこないのも寂しい。
イワンとか、エリ・クインとか、今回のヒロインのエカテリンに語る思い出話の中にちょっとだけ登場するだけだ。セタガンダの捕虜収容所からの大脱走劇とそのときのトラウマの話は定番の思い出話。今回もちゃんと話してたな。

今回の舞台となる惑星コマール。
いままでの作品にもコマール人はちょくちょく登場していたけど、惑星のイメージとしては、あまりはっきりしたものはなかった。
ワーム・ホール・ネクサスの要所でバラヤーから銀河世界に通じる唯一のワーム・ホールがある星系。現在はバラヤーに併合されている。そのため、併合(占領)に反対するテロが時々起こる。
こういう政治的背景に付け足すことはあまりなかったが、自然環境については、空気が薄く、人々はドーム都市で暮らしている、いわゆるテラフォーム事業が盛んに行なわれている。ミラー衛星もその一つで、太陽の光を集めて、惑星コマールを照らして暖めている衛星だ。

これと貨物宇宙船が衝突して、ミラー衛星の一部が破壊されてしまう。
バラヤー皇帝のグレゴールとコマール人女性(誰だっけ?)の結婚式が近づく今、テロの可能性を探るべく、皇帝直属聴聞卿のマイルズ・ヴォルコシガンがコマールに派遣されるが・・・
というのが、今回の本。

翻訳も結構出ているので、SFファンなら、ヴォルコシガン・シリーズは読むべし。

俺は、これから英語版にチャレンジしてみようと思う。というか、アマゾンで購入はすでにした。まだ、あまり手をつけてないけど。買ったのは、
"YOUNG MILES"と"KOMARR"だ。
さて、辞書片手にがんばってみるか。

2012年10月5日金曜日

学問のすすめ 福沢諭吉著 現代語訳:奥野宣之


”いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ”の記念すべき1巻目。
いわゆる超訳ではなく現代語訳版ということらしい。
シリーズのタイトル通りで、名前は知ってるが内容までは知らなかったので読んでみた。

いろいろと感想はあるんだが、140年前の著作だというのに、現代日本にこうも当てはまるものなのか?と驚愕。オカルト信者なら、預言者扱いしかねないと思った。

大げさに聞こえるかも知れないが、全員が読むべき。
日本人だけじゃなくて、世界中の人が。
文字が読めない人には、読んで聞かせるべき。
そんな本だと思った。

2012年9月14日金曜日

ロングテール (クリス・アンダーソン)

ロングテール クリス・アンダーソン 篠森ゆりこ[訳]
早川書房

以下、感想というより要約。
あと、印象に残った言葉、引用も。

ロングテールとは、商品の人気(売り上げ)と種類の関係をグラフにしたときの形からついた名前。
売り上げ上位には一部のヒット作が集中しているが、その後方(テール)には多くの不人気作(というと語弊があるが、大衆受けしないが、需要はたしかにある)がひしめいている。
でこのテールの部分をビジネスに結び付けようというのが、本書の主題だ。

大衆市場から無数のニッチ市場へ。

経済学はすべてを無料で手に入れることはできないことを前提にしている。
有限の資源をどう分配するのか?というのが経済学だ。

ところが、現在のデジタル時代において、製造(記憶容量)と流通(ネットワーク帯域幅)の限界費用は消えつつある。

大衆は存在しない。人々を大衆と見なす方法があるだけだ。
レイモンド・ウィリアムス

不足の経済から豊饒の経済へ。


以下は14章ロングテールの法則の要約。

ロングテール・ビジネスを発展させるカギは
1.すべての商品(サービス)が手に入るようにする。
  問題点は著作権だ。
2.欲しい商品を見つける手助けをする。
  レコメンデーション(お勧め)を使う。
  集合知のちから。

コスト削減
在庫は外注かデジタル
 アマゾンのマーケットプレイスのような、バーチャル在庫。
 デジタル在庫。

顧客に仕事をしてもらう。
 アウトソーシングじゃなくて、クラウドソーシングだ。
 顧客は自分の得意分野に関してはプロだ、それが大量に存在するんだ。

ニッチに注目
流通経路
 理想的なロングテール市場は時間と空間を超越する。
 地理的な制約を受けずに、人々はいつ何を欲しがるかを推測する必要が無い。

消費形態
 ミクロチャンク(細かく分ける:アルバム単位→1曲づつ)
 選択できるってこと。

価格
 変動価格(人気作は高く、不人気作は安く、オークション、即決価格)
 これも、選択できるってこと。

支配をやめる
情報公開
 各種ランキング、レコメンデーション(理由が大事)

どんな商品も切り捨てない。
 どちらかを選ばなければならないというのは、不足の時代の考え方だ。
 ”どちらか”よりも”どっちも”
 すべての商品を提供しよう。

市場を観測せよ
 すべての商品を市場に出し、観測せよ。そして、その結果に従うのだ。
 予測せず、観測せよ。

無料提供
 コストがゼロに近いので価格ゼロが実現可能である(デモ版やサンプル)
 選択肢が豊富な市場では、競争が激化し、いずれ価格はコストに準じたものになっていく。

テールの未来
 次にカギになるのは3Dプリンタか?
 物質さえも、デジタルデータを販売できるようになるってこと。
 あまり複雑なものや、材質そのものが重要なものは難しいだろうが。

こんなとこかな。
色々と実例を挙げてあったので、説得力ある内容だったな。
ただし、成功しているのは、まだまだごく一部の企業のようだな。
おそらく”支配をやめる”ってのができないんじゃないかな。