早川書房
以下、感想というより要約。
あと、印象に残った言葉、引用も。
ロングテールとは、商品の人気(売り上げ)と種類の関係をグラフにしたときの形からついた名前。
売り上げ上位には一部のヒット作が集中しているが、その後方(テール)には多くの不人気作(というと語弊があるが、大衆受けしないが、需要はたしかにある)がひしめいている。
でこのテールの部分をビジネスに結び付けようというのが、本書の主題だ。
大衆市場から無数のニッチ市場へ。
経済学はすべてを無料で手に入れることはできないことを前提にしている。
有限の資源をどう分配するのか?というのが経済学だ。
ところが、現在のデジタル時代において、製造(記憶容量)と流通(ネットワーク帯域幅)の限界費用は消えつつある。
大衆は存在しない。人々を大衆と見なす方法があるだけだ。
レイモンド・ウィリアムス
不足の経済から豊饒の経済へ。
ロングテール・ビジネスを発展させるカギは
1.すべての商品(サービス)が手に入るようにする。
問題点は著作権だ。
2.欲しい商品を見つける手助けをする。
レコメンデーション(お勧め)を使う。
集合知のちから。
コスト削減
在庫は外注かデジタル
アマゾンのマーケットプレイスのような、バーチャル在庫。
デジタル在庫。
顧客に仕事をしてもらう。
アウトソーシングじゃなくて、クラウドソーシングだ。
顧客は自分の得意分野に関してはプロだ、それが大量に存在するんだ。
ニッチに注目
流通経路
理想的なロングテール市場は時間と空間を超越する。
地理的な制約を受けずに、人々はいつ何を欲しがるかを推測する必要が無い。
消費形態
ミクロチャンク(細かく分ける:アルバム単位→1曲づつ)
選択できるってこと。
価格
変動価格(人気作は高く、不人気作は安く、オークション、即決価格)
これも、選択できるってこと。
支配をやめる
情報公開
各種ランキング、レコメンデーション(理由が大事)
どんな商品も切り捨てない。
どちらかを選ばなければならないというのは、不足の時代の考え方だ。
”どちらか”よりも”どっちも”
すべての商品を提供しよう。
市場を観測せよ
すべての商品を市場に出し、観測せよ。そして、その結果に従うのだ。
予測せず、観測せよ。
無料提供
コストがゼロに近いので価格ゼロが実現可能である(デモ版やサンプル)
選択肢が豊富な市場では、競争が激化し、いずれ価格はコストに準じたものになっていく。
テールの未来
次にカギになるのは3Dプリンタか?
物質さえも、デジタルデータを販売できるようになるってこと。
あまり複雑なものや、材質そのものが重要なものは難しいだろうが。
こんなとこかな。
色々と実例を挙げてあったので、説得力ある内容だったな。
ただし、成功しているのは、まだまだごく一部の企業のようだな。
おそらく”支配をやめる”ってのができないんじゃないかな。
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